私の貸家の入居者さんたちは、色々な家族構成です。
一軒の貸家には、お一人で暮らしていらっしゃる60歳代の女性Wさんがいます。
昨年、新しく入居されたのですが、仲介業者に任せてあったので、引越し後、挨拶に伺いました。
立派な新しい仏壇が和室に置かれてあり、ご主人が亡くなられたのだと推察することができました。
何か困ったことや分からないことがあれば、いつでも連絡してきてくださいね。と電話番号を渡しました。
Wさんの喋る言葉が聞き取りにくく、どうしたのかなと思っていたら、ご自分から
脳梗塞で倒れ手術をして、現在、リハビリとデイサービスに通っていると説明してくれました。
妹さんが近くに住んでいるので、引っ越してきたとのことでした。
娘さんやお孫さんもいるようで、休日には賑やかに過ごせると喜んでくれていました。
ある時、その家の隣組のリーダー的存在の女性Kさんとスーパーで出会い、新しい入居者さんのことよろしくお願いしますね。という会話になりました。
Kさんは、しかめっ面になり、「あの人変わってるよ。顔合わせても知らんふりやし、スーと家に入るわ。主人と変わった人やね、て言ってたんよ。よく子どもか孫かが来て賑やかにしてるのに!」と説明してくれました。
無口なのは、病気の後遺症ではっきり話せないこと。また、ほぼ毎日リハビリに行っていることなどを説明しました。Kさんは大きくうなずいてガッテンしてくれました。
今まで、そんな白い眼で見られ、噂されていたのかと思うと胸が痛みました。
ご近所付き合いは、デリケートな部分があり、気になりだしたら大きなストレスになります。
Wさんは、おそらく何か冷たい視線を感じ取っていたのかも知れません。
リーダー的存在のKさんは気さくで面倒見のいい方です。
誤解を払拭できたので、町内が良い雰囲気に変わってくれたらと願っています。
人は、外見からではわからないことが多々あります。
電車やバスのシルバーシートは弱い立場の方が優先的に座れるよう配慮された座席ですが、見た目が若くて元気に見える人が座っていると、周りからひんしゅくを買います。
心臓にペースメーカーを入れていたり、足が不自由だったり、妊娠初期の大事な時期だったり、見た目では判らないハンディキャップを持った方が座っているかもしれません。
妊婦さんの、マタニティマークが随分普及してきているので、気づく方も多いと思いますが、助けを必要とするマークは、まだまだ普及していないように感じます。
うちの隣のご主人は、腎臓透析をしていて、隔日に朝から自分で運転して病院へ行っています。外見は、健康な男性となんら変わりはありません。
知らない人が見たら、普通に出勤しているようにしか見えません。
長女が働いている学校は、ダウン症や自閉症、その他複雑な障害を併せ持っているような生徒を教育する公立の支援学校で、身体障害者支援学校とは区別した知的障害者支援学校になります。
彼ら彼女たちが、教育機関で守られている内はいいのですが、中学校や高校を卒業してからの社会参加が大きな問題となるそうです。
発達障害が見た目でわかる場合は、周りは注意を払ってくれたり、気配りをしてくれたりするのです。しかし外見が全く健常に見える場合、社会に出てから誤解を招くことが多く、保護者の方も心配が尽きないのだそうです。
2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。
パラリンピックでは、「運動機能障害」「脳性麻痺」「切断など」「視覚障害」の種目があります。
どんな頑強な精神力でトレーニングを積み重ねてきたのか・・
障害があってもあんなに頑張れるのに、健康な自分は何甘えているんだ。。と渇を入れることができるいい機会でもあります。
応援して感動させていただきたいと楽しみにしています。