本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」や、両学長が紹介するユダヤの教え「タルムード」が非常に興味深く、金融教育と合わせてユダヤ人考察がブームになっています。
私の場合、家庭教育については昔に卒業していますが、自身の勉強にもなりました。
子どもの教育について悪戦苦闘している娘たちを見ていて、参考になるかもしれないと手にとった本です。
- ユダヤ人はなぜ、世界で活躍する人物を育てられるのか。
- テストの成績よりも人生の成績
- 自分で考える力を引き出す
- 自分からやる子を育てる
- 成人=13歳(ユダヤでは)からは自分で稼ぐ力を育てる
- 必要な投資にはお金を惜しまない・節約の原理原則
- さいごに
ユダヤ人はなぜ、世界で活躍する人物を育てられるのか。
有名なユダヤ人
ユダヤ人の人口は、世界人口のわずか 0,2% で絶対数が非常に少ない民族です。
日本に住む普通の人がユダヤ人に出会う機会はほとんど無いと言っていいでしょう。
「世界の 0,2% しかいないユダヤ人が、世界中の資産の半分以上を保有している」といわれています。
2021年版長者番付ランキングのトップ10のうち、ユダヤ人は次の4人です。
3位 マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック共同創業者)
5位 ラリー・ペイジ(グーグル共同創業者)
7位 ラリー・エリソン(オラクル共同創業者)
10位 マイケル・ブルームバーグ(ブルームバーグ創業者)
トップ20の30%がユダヤ人という結果になっています。
世界最大の財閥といわれているロスチャイルド家はユダヤ人の銀行家ファミリーですし、そう考えると、ユダヤ人が世界中の資産の半分以上を保有しているというのも間違いなさそうです。
ユダヤ人に持つ「お金持ち」というイメージの他、「頭がいい」「優秀」といのがあります。
イエス・キリスト
アルベルト・アインシュタイン
カール・マルクス
ジークムント・フロイト
アルフレッド・アドラー
ピーター・ドラッガー
etc
半端な優秀さではなく、歴史に名を刻むような方がたくさんいます。
ノーベル賞受賞者の5人に1人を占めています。
0,2%の人口でです!
ユダヤ人の圧倒的な優秀さがわかります。
文化・芸術の分野でも成功しているユダヤ人が多いです。
ダスティン・ホフマン
ハリソン・フォード
ナタリー・ポートマン
スティーヴン・スピルバーグ
ワーナーブラザースのワーナー兄弟
etc アカデミー賞受賞者の37%がユダヤ人だそうです。
ビジネスパーソンとしては、
マクドナルドの、レイ・クロック
VISA のディーホック
スターバックスのハワード・シュルツ
GAPのドナルド・フィッシャー
ゴールドマンサックスのマーカス・ゴールドマン
デルのマイケル・デル
枚挙にいとまがありません。
ユダヤ人の優秀さの背景にある迫害の歴史と教育
ユダヤ人が遺伝的に優秀なのかといえば、そうではないでしょう。純粋なユダヤ人の血を引く者ばかりがユダヤ人ではないからです。
ユダヤ人は、「教育のプロ」だからだと思われます。
ユダヤ人はあらゆる時代の中で、絶えず時の権力者によって迫害を受け続けてきた民族です。
「アンネの日記」でユダヤ迫害の歴史を知ることができます。
迫害を受け続ける中で、親から子へ、子から孫へ伝えられてきた教えがあります。
『目に見える財産はいとも簡単に奪われる。ただ私たちの頭の中にある知恵だけは、何人たりとも奪うことはできないであろう』
ナチス・ドイツが奪ったのはユダヤ人の命だけではなく、お金や土地など多くの財産を根こそぎ取り上げていました。
すべてを失い、国外追放されてしまった後でも、頭の中に知恵があれば立ち直っていくことができます。
親を殺された子供だって、親から教わった知恵があれば、自分たちで未来を切り開き豊かな生活を勝ち取ることができます。
一方、私たち日本の教育は、より良い学校に入ることが教育のゴールになっているため、それ以外の分野では応用が利きません。
娘婿の部下はほとんど東大卒だそうですが、トホホな人物もチラホラだと言っています。
ユダヤ人が重視する教育システムの「原理原則」、それは、「いつ、どこで、誰がやっても、同じ結果が出ること」
この原理原則が教育システムの根幹で、あらゆるジャンルに見出して継承されています。
テストの成績よりも人生の成績
人生でもらう通信簿には2種類ある。
一つは学校でもらう通信簿。この点数は気にしなくてよい。
もう一つの通信簿は、あなたの人生が終わった日、お葬式の時にもらう。
お葬式でもらう通信簿の点数は一生かけて上げていきなさい。
本文P41
この教えは、スティーブン・コビー博士の「7つの習慣」の核である、人格主義の回復と一致していて驚きました。
自分の理想の葬式に向かって人生を歩んでいくことが、ユダヤ独特の「葬式ベース」の考え方です。
自分で考える力を引き出す
ユダヤ人が編み出した「アスター(ASTAR)学習法」
この学習法の大きなポイントは、習慣を身に付けることにあります。
ユダヤの格言に「すべての結果は習慣の連続体である」があります。
A(attend:参加する)目的をもって本気で参加する。
S(study:学ぶ)ユダヤ式ノートの取り方は日本と違う。
T(teach:教える)学校から帰ってきたら、その日に学んだことを親に話す。
A(apply:応用する)学んだことの実践を習慣化する。
R(review&report:復習と報告)責任ある監視者を必ずつける。
この詳細は是非、本書を手に取って詳しく理解していただけたらと思います。
自分からやる子を育てる
子供が進んでお手伝いをするようになる秘密
親が子に与えるものは何もない。子供が欲しければ、親から勝ち取るだけ。
本文 P107
日本の親は簡単に与え過ぎで、ユダヤの親はかなりシビアです。
与えるとしても何らかの条件を付けます。
※ ポイント制の導入
・お手伝いリスト・ご褒美リスト・ペナルティリスト・ポイント表
ポイント制は、経営者マインドや起業家マインドを養うことにもつながります。
子供を ”昭和のサラリーマン” に育てたくなければ、お小遣いは禁止
お手伝いも何もしていないのに、毎月一定額のお小遣いをもらえて、年を取っていくうちに勝手にその金額が上がっていく。この仕組みはまさに、昭和のサラリーマンの年功序列型賃金制度そのものです。
日本経済が成長していた時代のサラリーマンは、営業成績が良くても悪くても、毎日会社に行ってさえいれば、一定額の給料をちゃんともらえて、しかもその額は毎年上がっていました。
しかし、そのぬるま湯的な環境は既に崩壊しつつあります。
会社側から副業を推奨したり、早期希望退職者を募ったりは驚くことでなくなりました。
(私個人的には、昭和のサラリーマンの大変さを知らない若い著者の見解だと思いますが)
成人=13歳(ユダヤでは)からは自分で稼ぐ力を育てる
成人までに、世の中の仕組み、社会やビジネスの原理原則、そして「仕事の本質」をまず最初に叩き込まれます。
日本における仕事の教育は、能力、知識、スキルを高めることに重きが置かれています。一方ユダヤでは日本と真逆で、「能力、スキル、才能は仕事の二次的要因であって、本質ではない」と教えます。
仕事の本質は、ビジネスモデルの見極めにある。
世の中の職業には、「労働収入」と「権利収入」の二つしかない。
「ビジョンボード」で明るい未来を思い描く能力を育てる
理想の自分がきちんと決まっていれば、関係のない選択肢はすべて捨てて、理想の自分になるための行動に絞ることができます。
理想の自分を思い描く時に大切なことは、ビジュアライゼーション(可視化)です。
理想を達成できた時、自分はどういう状態にあるのか、どんな場所にいて、どんな人に囲まれているのか、その「光景」を思い描くことです。
ネットで検索すると、ビジョンボードの作り方やテンプレートがあります。
必要な投資にはお金を惜しまない・節約の原理原則
「資産」と「消耗品」をきっちりと分けて考える。
ビバリーヒルズのユニクロは大繁盛。大富豪であっても、品質が良くて低価格なものが大好きなのです。
- 毎月定期的にかかる「支出」は徹底的に見直す。
- 節約したお金で「資産」になるものを買う。
- 節約一辺倒ではダメ。時に一流に触れることの意義。
大まかには、You Tube で、両学長がいつも話していることと同じだと思いました。
本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」に書かれてあることにも当然ですが共通しています。
さいごに
つい少し前まで、日本のGDPがアメリカに次いで2位だったのに、中国に抜かれて3位、、ドイツ抜かれて4位、、円安でインドにまで抜かれて5位になりました⤵
少子高齢化で人口減少が経済力や国際競争力を衰えさせていると言われています。
しかし、この本を読んで思いました。
少数でも超超優れた人材を育てることができれば、国に大きく貢献し、衰えに少しは歯止めを掛けれらるのではないかと。
だって、世界に0.2%しかいないユダヤ人が、世界中の資産の半分以上を保有しているんですから。
恐るべし教育の力です。
そういえば、ゆとり教育世代にはその特徴があるように、受ける教育背景によって、育つ人材が違ってくるのです。
中国や韓国では、学校で反日教育を受けた世代の若者には、反日精神が宿っているようです。
学校教育と合わせて、家庭教育が最も重要な位置づけになっています。
ユダヤ人の家庭教育を日本の家庭にも浸透させることができたらいいなと、老婆心ながら願っています。
最後までお読みくださりありがとうございました。